第6回 究極のインパクトの為のトップの位置
究極のインパクトの為のトップの位置
究極のインパクトとは、アドレスで構えたクラブの位置にインパクトで再度クラブが同じ位置に戻ってくることです。
まずは、究極のインパクトを
飛球線後方から見たシャフトの角度から考えてみます。
（見慣れているとは思いますが、アドレス時のシャフトプレーンの図です。）
究極のインパクトの為には、インパクトでアドレス時のシャフトの角度に戻さなければなりません。その方法は3通り考えられます。
第１の方法はベンホーガンのように
トップの位置を出来る限り低くする方法です。トップの位置を低くする事で、アドレス時のシャフトプレーンの延長線上からなるべく外れないようにします。
ただし、この方法ではスイング軌道がフラット過ぎます。その為、トップでフェースをかなり開くことになり、フェースローテーションが大きくなってしまうというデメリットがあります。フェースローテーションが大きすぎると、プッシュアウトやフックボールの出る可能性が高まってしまいます。ひどい時にはシャンクまで出てしまいます。さらに、この方法は体にかなりの柔軟性がなければ実行するのは難しいと思われます。
第2の方法はファルドやプライスのようにトップから
クラブをループさせてアドレス時のシャフトプレーンに乗せる方法です。
ただし、この方法もスイング軌道がフラットな為、フェースローテーションが大きくなってしまい、フェースコントロールが難しくなってしまいます。さらに、第3の方法に比べてパワーの点で劣ります。
第3の方法は、ダウンスイングの早い段階からシャフトの角度を元のシャフトの角度と同一にし、インパクトまで同じ角度を維持する方法です。
そして、私はこの3番目の方法がベストの方法だと考えています。
理由は第1と第2の方法に比べ①手を高い位置から下ろせるのでパワーを出しやすい。②スイング軌道がフラットになりすぎない。③比較的簡単で習得しやすい。等、メリットが多いからです。
理想のトップの形
まず、胸が飛球線後方をしっかり向いていることが絶対条件です。言い換えると、胸はアドレスの位置から90度右を向く事です。90度の角度が理想です。回転が足りなくても、回転しすぎても良くありません。
体が硬い人でも絶対にこの形をとらなければなりません。その為には多少前傾角度が起き上がっても構いませんし、右ひざが多少伸びても構いません。
逆に女性の場合（体が柔らかすぎるのだと思いますが。）そっくり返ってしまう人がいますが、回転は90度が理想です。それ以上は上半身と下半身のバランスが悪くなり、インパクトの時に理想的な形になりづらくなってしまいます。
トップでの手の位置
次はトップでの手の位置です。
手の位置はなるべく高い位置で、且つ、なるべく
アドレス時のシャフトプレーンに近い位置でなければなりません。この相反する条件がなるべく共存できる位置を探さなければなりません。
高い位置と言うのはパワーを出しやすくする為です。アドレス時のシャフトプレーンに近い位置と言うのは、シャフトの角度をなるべく早く元のシャフトの角度に戻す為です。
中にはかなりアップライトに上げてしまう選手がいますが（肩よりも首に近い位置に手を上げてしまう。）元の角度に戻すのに体勢が崩れやすくなるので、あまりお勧めできません。
三浦桃香プロ
下の図は三浦桃香プロがモデルです。彼女はツアープロは断念してしまいましたが、三浦桃香プロは腕が長いのだと思いますが、うらやましいくらい素晴らしいトップの形です。
右わきを締める事ばかりを強調するカリスマコーチからすると三浦桃香プロのトップは良くないと言われてしまうのでしょうが、私の考えからすると、三浦桃香プロのトップの形は理想的です。
レイドオフとシャフトクロス
クラブの位置ですが、やはり、シャフトクロスはお勧めできません。アドレス時のシャフトプレーンの角度に戻すのに効率が悪くなってしまうのでお勧めできません。
「シャフトクロス」に比べると「レイドオフ」の方が良いと思います。
しかし、あまりシャフトが立ったままだと コックが正しく行われない てこの原理が使いづらくタイミングが取りづらい 等の理由からなるべくシャフトは水平もしくは水平よりやや立った状態がベストだと思います。
ただし、タイミングの取りやすさは、個人の感覚ですので一番タイミングの取りやすい位置は微調整しながら探すしかないと思います。
次回は私の考えの要である「理想のインパクトを迎える為のダウンスイング」について書いてみたいと思います。
