女子プロゴルファーを目指している方にも読んでほしいブログ

日本人ゴルファーのスイングに関する個人的意見を綴らせていただきます。

第3回 デビッド・レッドベターの提唱したボディーターンとは?

デビッド・レッドベターの提唱したボディーターンとは?

 デビッド・レッドベターの代名詞と言えば「ボディーターン」ですが、レッドベターがニック・ファルドと作り上げたスイングは「ボディーターン」の一言で言い表せるほど単純なものではありません。

 レッドベターがニック・ファルドのスイング改造に要した時間は1985年からの約2年間です。ファルドは「泣きたくなるほど辛かった。」と回顧していました。なぜなら、レッドベターが直した箇所はファルドのスイングのほぼ全てだったからです。姿勢、スイング軌道、腕の動き、脚の動き・・・ほとんど全てなのです。

 こうして出来上がったのがニック・ファルドのスイングなのです。その結果、ファルドは1987年の全英オープンでメジャーに初勝利し、その後メジャーに6勝する事ができました。

 レッドベターは「スイングというのはとても複雑で、いろいろな要素が絡まって成り立っています。」と言っています。つまり、レッドベターはファルドに決してボディーターンだけを教えたのではないのです。そのような経緯を知らずに、「レッドベター=ボディーターン」と単純に理解してしまうと本質を見失うことになります。

THE GOLFSWING BY DAVID LEADBETTER

腕を正しく使わなければならない 

 「レッドベター」=「ボディーターン」=「腕や手を使わずに体の回転でスイングする。」というのが日本での一般的な解釈だと思います。 

 しかし、レッドベターがニック・プライスと出演している「FAULTS&FIXES」というレッスンビデオの中でレッドベターは「右サイドと右腕は思い切り使って構わない。」とはっきりと言っています。

 レッドベターは決して「腕を使うな」とは言っていません。右を正しく使えば(おそらく右腕と右サイドという意味だと思います。)、フェースはスクエアにボールに当たると言っています。さらに、「ダウンスイングで右ひじを体に付けてはいけない。右ひじが体についたままだと右腕を自由に使えない。」とも言っているのです。つまりレッドベターは、腕を使えと言っているのです。(「腕を正しく使え。」というと正確かもしれません。)

 ただし、レッドベターはビデオの中で「ハンドアクションを使ってはいけない、ハンドリリースではなくボディーリリースでスイングしなければならない。フェースの向きが急激に変わるような動きをしてはいけない。」と言っています。ハンドアクション、ハンドリリース、ボディーリリースの意味が少しわかりづらいのですが、彼の身振り手振りを見ているとリストターン(アームローテーション)がいけないという意味のようです。

 以上はほんの一例ですが、このように、現在の世界基準と言われるスイングは「腕や手を使わず体の回転でスイングすれば良い。」なんて言う単純なものではないのです。

FAULTS & FIXES BY LEADBETTER WITH NICK PRICE

次回は、「タイガー・ウッズ」について書きたいと思います。